ハッピーエンド

(やはりそうだ。東の時といい彼女の時といい彼らは十分にシミュレーションして臨んでいる。作戦として相手を怒らせている)


「あなたは誰かにかまってほしかった。何時も自分に振り向いて欲しい、注目して欲しい・・・そんな裏返しの気持ちが、そういう行為になったのかな?」

亜衣に対する尋問が始まって未だ数分で葛西は完全に主導権を握っていた。

敢えて気持ちを逆なでするような事ばかり言っている。

周りから見ても葛西の言葉は今度の事件に何の関わりがあるのか理解できず、4人の憎悪が渦をまいて部屋に充満していった。

「もう止めて下さい!事故に何の関係もない事ばかり・・・他人の前で人の過去を暴露して楽しいの?」