「ママ!行ってくる‥‥‥ね‥‥」
ドタドタと階段を降りてリビングに顔を出したあたしは、思わず言葉を失った。
「何ジロジロ見てんだよ」
「‥‥‥‥っな!み、見てないもん///」
そこには、あたしと同じように浴衣を着て立っている水樹の姿。
少しだけ大きく開いた胸元に、シルバーのネックレスが光っていて‥‥‥髪型はいつもと違って、片側が耳の上で編み込まれている。
普段とは雰囲気が違う水樹に、なんだか少しだけ熱を感じてしまう。
こんな格好で結衣ちゃんとお祭りに行くなんて‥‥‥ムカつくけど、やっぱりカッコいい‥‥‥。
それに比べてあたしは‥‥‥。
水樹越しにリビングのガラス戸に映る自分の浴衣姿に、少しだけ恥ずかしくなる。
やっぱり‥‥‥こんなに大人っぽい浴衣、あたしには似合わないんじゃないかな‥‥。
「‥‥‥‥‥‥」
そんな自分に自信がなくて、落ち込んでいると‥‥。
「もー子」
不意にそう呼ばれて、水樹の細長い腕が伸びてくる。


