「‥‥こ、こわ‥‥っ」
あまりの静かさに、あたしは大地先輩の後ろに隠れた。
「あはは、そんな怖がんなくても何もないじゃん」
あたしの様子を見て呑気に笑う大地先輩は、この異様な空気に全然臆していないようだった。
「むっ‥‥無理です!うぅ‥‥早く帰りたい‥‥っ」
さっきまではあんまり恐怖感はなかったのに‥‥今になってドッとそれが押し寄せてくる。
そのくらいにここの空気は異様なものだった。
「あ、あれかな」
「‥‥へ?」
「名前書く紙」
そういえば、音楽室の中に置いてある用紙に証拠として名前書かなきゃいけないんだっけ?
それらしいものをグランドピアノの上に見つけた大地先輩は、ズンズンとそこに向かって歩いていく。
その後ろにしがみついてキョロキョロしながらついていくあたし。


