「あ、ここだ‥‥」
三階について、突き当たりの教室まで歩くと音楽室と書かれたプレートを懐中電灯で照らす。
それこそ、夜中の音楽室とは不気味なもので‥‥。
あたしは、ごくりと生唾を飲み込んだ。
「開けるよ?」
「は‥‥はい‥‥」
ドアにゆっくりと手をかけた大地先輩は、ガラッと勢いよく扉を開いた。
‥‥‥‥‥‥。
黒板の前に置いてある、大きなグランドピアノ。
教室の後ろに飾られている、ベートーベンやシューベルトなどの偉人の写真。
いつもどおりの音楽室。
違うのは、シーンとした静かな空気。
そんな雰囲気があたしと大地先輩を包み込んだ。


