「‥‥そろそろ、行こっか」
しばらくして、吹っ切れたようにそう言う大地先輩の笑顔はいつもの優しい表情。
つられてあたしも笑顔になるが。
「‥‥‥‥そういえば肝試しってこと‥‥忘れてました」
よからぬことを思い出してまた青ざめる。
泣いたり笑ったり青くなったりと、コロコロ表情の変わるあたしを見て、大地先輩はおかしそうに笑った。
わ、笑うなんてひどい‥‥。
と、内心拗ねてはいたが、今日は大地先輩には笑顔でいてほしいので口には出さなかった。
「大地先輩って、結構いぢわるですよね‥‥」
「そうかなぁ」
「‥‥‥‥‥」
ようやく普通通りに戻ったあたしたちの関係。
他愛もない会話をしながら、三階へと続く階段をゆっくり上っていく。


