ちょうど二階にさしかかったところで、あたしは歩く足を止めると、それと同時に大地先輩が振り返る。
「ん?」
相変わらずの優しい笑顔で首を傾げてあたしを見る様子が、ぼんやりと見えた。
震えそうになるこぶしを、ぎゅっと握りしめてひとつ深呼吸をしたあたしは、そのまま大地先輩を見上げた。
「あたし‥‥大地先輩のこと好きです」
「‥‥‥‥っ」
まさか、あたしの口からこの話題が出てくるとは思ってなかったらしい先輩は、驚いたように目を丸くした。
それでも、何も口を出さずにただ黙ってあたしの話を聞いてくれるようだった。


