「はぁ‥‥」
「これで十五回目よ」
「何が‥‥?」
「桃子のため息」
「‥‥う‥‥だって‥‥」
時計は、もう少しで肝試しの始まる九時をさそうとしていた。
そういえば、バスケ部に入部する前に大地先輩が合宿では肝試しがあるみたいなことを言っていたけど‥‥。
そんな、全員参加だと思わなかったし‥‥‥。
あぁ──‥もう、頭がごちゃごちゃだよ‥‥。
「大丈夫だって!本物のお化けが出るわけじゃないんだからさ」
部屋の隅で体育座りしながら落ち込むあたしに、陽気な雅が声をかける。
「だって夜の学校だよ?音楽室のベートーベンがこっち睨んでるかも‥‥ぎゃああっ!」
「ちょっと、まだ始まってもないのに叫ばないでよ。そろそろ時間だし‥‥体育館行こうか?」
「嫌だ‥‥行かない」
「ハイハイ、駄々こねないの。行くわよ」
「いやぁーっ(泣)」
結局、雅に無理矢理引きずられて嫌々あたしは体育館へと足を運んだ。


