「桃子ちゃんに用事」
「‥‥‥あたし?」
いつものふざけた様子と違って、真剣な顔をする栄介くん。
あたしは拾っていたものを部屋の隅にある棚の上に、よいしょと置いて、栄介くんの元へ戻る。
「昨日、ごめんね。指大丈夫だった?」
「あ、そのことならもう大丈夫だよ。ちゃんと手当てしてもらったし。ほら」
どうやら栄介くんは、雅と同じように責任を感じているらしいく、あたしに謝りに来たようだ。
もちろんあたしは雅にも栄介くんも悪いとは思っていないので、絆創膏で手当てした指を笑顔で見せた。
それを見て少し安心したような顔をする。
「でも、ほんっとにごめんね!」
「だから、もういいって。雅も心配してくれたし、それだけで嬉しいからさ」
「うぅ‥‥でも、事実びっくりさせちゃった原因は俺だし‥‥」
「あ、雅と同じこと言ってる」
「え、まじ」


