何も言えずに黙ってうつむいたままのあたしを、水樹は今まで掴んだままだった腕から手を離してあたしのあごをクイッと持ち上げる。 改めて交じりあうあたしと水樹の視線。 「もー子さ、無防備すぎ」 「‥‥無防備‥?」 「そ、だから簡単にキャプテンににキスなんかされんだよ」 「‥‥‥‥‥‥」 「だから、これは消毒」 「え?‥‥‥‥んんっ!」 あっという間に水樹によって塞がれた唇。 水樹のことが好きだと気づいた、あの日の海辺でのキスとは全然違う。 乱暴で、少し強引なキスだった。