「もういいもん‥‥‥」
なんだか妙に恥ずかしくなって、拗ねてみるとようやく水樹は話し出した。
「‥‥もー子がさ、帰ってくるの遅いなんてめずらしいじゃん?」
確かに、あたしは寄り道とかあまりしないから、中学の時から帰りが遅くなるなんて、滅多になかった。
「携帯かけても出ねーし」
「‥‥だって、部室にあったんだもん‥‥」
「不思議に思って学校戻ってみたら、部室にもー子の鞄が置いてあって。おかしいなと思ったんだよ」
‥‥‥水樹、一回家に帰ったのにあたしのためにわざわざまた学校に戻ってきてくれたんだ‥‥。
「んで、外適当に歩き回ってたらお前らが用具室にいたってわけ」
話終わった水樹は、「わかった?」と言って優しく微笑んだ。
トクンッ‥‥‥。
その笑顔に、さっきまで普通だった胸が締め付けられるような感覚になる。


