「水樹‥‥‥」 「んー‥‥?」 「ありがと‥‥‥ね」 あたしがそう言って目の前にある水樹の背中に、寄りかかった時。 キキッ。 「?」 自転車のブレーキの音がして、水樹の足が止まる。 どうしたのかとあたしも顔をあげると、水樹の視線の先には‥‥‥ 「‥‥‥海だ‥‥」 そこにはあったのは。 暗い中で、月明かりが反射して綺麗に光る海。 ゆっくりとした波の音だけが、海岸に響く静かな空間。 夜の海なんて、初めて来た‥‥‥。