「ありがと」 サクラはぎゅっと、俺の手を両手で握った。 あたたかい・・・。 それはこの場に不釣り合いな、とても優しいあたたかさだった。 「行くぞ」 辛うじて出た言葉は、我ながらそっけないと思った。 「うん」 俺は不覚にも顔が赤くなったのが分かった。