今は警察署から車で移動中。



「で、話は?」



『あの…聞きたいんですけど』



「何を?」



『司馬さんって兄弟いますか?私はいないけど』



「何だ急に…」



『実は私この前…偶然に司馬さんのお兄さんに会ったんです』



「俺に兄貴なんていない」



『でも貴久さんっていう医者をしてる…』



「あんなの俺は兄だなんて思いたくないね」



『どうして?』



「理由はただ一つ。嫌いだから」



『嫌いって…』



「お前、何しに来たんだ?わざわざ兄貴の話しに来たのか?だったら帰れ!」



いきなり司馬は急ブレーキを
かけて車を停車させた。