数日が経ち。久美子は司馬と会う約束をしていた。



(『あの日以来だから何か気まずくならなきゃいいけど…』)



「よっ久美子。待たせたな」



『…郁弘……』



いつもと変わらない
司馬のクールな顔だった。
すぐに久美子を抱き締める。



「連絡出来なくて悪かったな」



『ううん…会えて嬉しいよ』



この前、昔の事を久美子に話したあの日以来、司馬はもう香澄の事には触れなかった。



実際、話して良かったのかと
考えたりもしたが
過去の事は割り切っている
司馬だから口にはしない。