何かが浮いてた。



これが他の奴だったら家に入れないけども
真咲だからしょうがない。

手に包帯を巻いていたし、
何か訳ありなんだろう。



「その手、どうしたの?」

そう聞くと、真咲は口を開いた。

「…齧られたんだ。この、ピンク色のに」

口があったのか。齧ったという事は。


「きっと、
 松本さんも齧られたんだと思うよ」

だから昨日皆が見ていたんだと、

そう言った。