そして、決意した―――――
「婚儀は1ヵ月後だ。」
「え?」
突然告げられた宣告に、エレナが声を上げる。
その顔は絶対に分かってないな…
おおよそ、誰と誰の…などと思っているに違いない。
「焦らずともよいと思っていたが…形があれば不安も減るだろ。」
ここまで言っても理解していない様子のエレナ。
ぽかんと不思議そうな顔が恨めしく思えてくる。
「誰と誰の婚儀か分かっているよな?」
軽く睨んでそう聞けば、エレナは目を瞬かせ少し考えた後にハッとする。
「私と…シルバ……?」
「それ以外ないだろ。」
疑問符を浮かべながら聞いたエレナに、やはり分かっていなかったか…と呆れる。
しかし、呆れる俺をよそにエレナは一人別の世界へ行っていた。
「私とシルバが結婚……」
まるでうわ言のように呟くエレナ。
「本当に?いいの?」
「当たり前だ。」
エレナを結婚と言う契約で縛り付けられるなら面倒な儀式も受ける。

