やっとか……
涙は見たくなかったが、これでエレナが楽になると思えば安堵に似た気持ちが心を支配した。
「なら何故後宮を出て行った。」
堰を切ったように流れ落ちる涙とともに、エレナは話し始める。
「私は国王である貴方にはふさわしくないから…っふ……っく…」
「何故そう思う。」
予想通りだ。
エレナはやはり自分で勝手に俺にはふさわしくないと思い込んでいる。
予想通りの答えに予定通りの言葉を投げかける。
すると、エレナは俺の手をギュッと握り、固く結んでいた口を開いた。
「だって…貴方はこの国の国王でしょう?国王なら世継ぎが必要だということは私にも分かるわ…」
今更何を言うかと思えば、世継ぎのことを話し始めるエレナ。
そう言った後、一層辛そうな表情をして涙を流す。
「けど……私の身体には忌まわしい血が流れているから…」
その言葉に目を見開く。
だが、その言葉に全て納得した。
エレナが俺を避けていた理由が。
自らジュゼットに後宮を明け渡した理由が…

