しかし、これで終わりではない。
エレナに自覚させなければならない…
「何故俺がエストの姫を選ぶと思った。」
「…………」
眉を寄せ辛そうな表情をするエレナ。
そんな顔をさせたいのではない。
先ほどのような苛立ちはなく、ただ促すようにエレナに問う。
「あいつを妃として迎えてもいいのか?」
その言葉にハッと目を開き、一気に銀色の瞳が潤む。
あと一息か……
そう思いながらもエレナの頬に手をあてる。
「お前に触れるように、あいつにも触れていいのか?」
滑らかな肌を愉しむように頬を撫でれば、エレナに変化が見られた。
頬を包んだ俺の手を取ってすり寄り……
「………ゃ…」
「聞こえない。」
俺の手を持ったまま俯いたエレナの頬をこちらに向かせ、そう言う。
すでに銀色の瞳には溢れそうなほどの涙が浮かんでいた。
すると、意を決したように震える唇が動く。
「いや……そんなのいや……ひっく…」
弱々しい否定の言葉とともに、涙がぽろぽろと零れ落ちる。

