白銀の女神 紅の王Ⅱ




この状況に追い込めば言うと思ったんだがな…



内心ため息を吐きながら、どうしたものかと考える。

思ったよりも頑固で口を開く気配すらない。

なにより視線を逸らされてはまともに話もできない。



強行突破するしかないか…





「エレナ」

「やっ…離してッ」


胸の前でギュッと握られていた手を取れば、怯えた様に抵抗を見せる。

聞く耳を持たないエレナに遂に我慢の限界が来る。



バタバタと俺の拘束を逃れようとするエレナの腕を掴み…




「エレナッ!」


大きな声で名を呼べば、ビクッと肩を揺らし静かになるエレナ。



「俺の目を見ろ。」


先ほどとは異なり、落ち着いた声で促せば、おずおずと視線を合わせる。

潤んだ銀色の瞳がこちらを見つめる。




「それでいい…」


やっと視線が合ったことに、苛立ちも消え安堵した。