この状況に追い込めば言うと思ったんだがな…
内心ため息を吐きながら、どうしたものかと考える。
思ったよりも頑固で口を開く気配すらない。
なにより視線を逸らされてはまともに話もできない。
強行突破するしかないか…
「エレナ」
「やっ…離してッ」
胸の前でギュッと握られていた手を取れば、怯えた様に抵抗を見せる。
聞く耳を持たないエレナに遂に我慢の限界が来る。
バタバタと俺の拘束を逃れようとするエレナの腕を掴み…
「エレナッ!」
大きな声で名を呼べば、ビクッと肩を揺らし静かになるエレナ。
「俺の目を見ろ。」
先ほどとは異なり、落ち着いた声で促せば、おずおずと視線を合わせる。
潤んだ銀色の瞳がこちらを見つめる。
「それでいい…」
やっと視線が合ったことに、苛立ちも消え安堵した。

