噴水の傍、こちらに背を見せて座っているその者。
履いているはずの靴を噴水のわきに綺麗に揃え、その足を水につけている。
少し前かがみになっているのか、透き通るように白い滑らかな肌がさらされ、白銀の髪がその背に流れる。
その美しさに息を飲んで、今にも消えてしまいそうな彼女の名を呼んだ。
「エレナ」
静寂の中、思いのほか大きく響いた声に、小さな肩がビクッと跳ねた。
そして、白銀の髪を流しながらこちらを振り返った。
「シルバ……?」
ダイアモンドのような銀色の瞳が零れそうなほど目を丸くして驚くエレナ。
「なんだ?俺がここにいてはいけないのか?」
「そ、そんなことありませんけど…」
フッと笑えば、エレナが頬を染めて俯く。
視線が下がったことで、エレナが靴を脱ぎ足を水につけていたことをふと思い出す。
「エレナ、足を見せてみろ。」
「え?」
弾かれたように顔を上げるエレナ。
なかなか動かないエレナに痺れを切らし、遂には自分から動いた。
実際には数秒だったのだが…
グイッ―――――――
「きゃッ……」
噴水の縁についていた手を取れば、バランスを崩したエレナが倒れこんでくる。
その体を横抱きにして受け止め、エレナの足を水から上げた。

