王宮中庭―――――
満月の月夜に照らされた庭園。
その庭園の入り口に、先ほどとは別の護衛が待機している。
姿は見えないが、この中庭の周囲に他の護衛もいるはずだ。
近づけばその護衛は俺を見つけて直立し、胸に手をあてる。
「シルバ様、エレナ様はこの先の噴水にいます。」
まだ動いていないか…
俺が迎えに来なければいつまでここに居るつもりだったんだ。
胸の奥で感じる苛立ちを抑えて口を開く。
「ご苦労。他の者も連れ、もう下がっていいぞ。」
一時間もエレナに付き合わされた護衛は、ほっとした様子で下がっていく。
さて、お姫様を迎えに行くか……
花で覆われたアーケードを歩いて中庭に続く通路を通る。
アーチ状の天井から月明かりが差し込み、道を照らしているので明かりなどなくとも歩けた。
そして、最後のアーケードをくぐり中庭に出た。
何の遮りもない中庭は月明かりに照らされて、昼間とはまた違った幻想的な雰囲気。
そして、そんな幻想的な世界の中、月明かりに溶け込んでしまいそうな白銀の女がいた。

