「私が正式にこちらに嫁いだらどうなるのかを教えて差し上げたら、自分で出て行かれたのよ。」
心の中で深い溜息を吐く。
コイツがここまでバカだとは思わなかった。
頭を抱え立ち止まったままエレナの行きそうなところを考えていれば…
「あんな子やめて私を選んでくださいませ…シルバ様。」
ジュゼットが腕を取り、体を寄せ付けてくる。
「私の方があの子に劣っている理由を教えてください。あの子、見た目もぱっとしないし、背中に傷もあるじゃ…」
ダンッ―――――――
静寂に包まれた廊下の壁が震える。
振り返り、一歩一歩ジュゼットへ近づく。
壁まで追いやり顎を持ち上げれば、何を勘違いしたのか頬を染めたジュゼット。
しかし、それを無視して口を日開く。
「戯れが過ぎたな…エストの姫よ。」
恐ろしく低く響く声。
鋭く睨む視線に、ジュゼットはショックを受けたような顔つきになる。
「な、何故!?自分から出て行ったのはあの子よ?それに…「黙れ」
確かにエレナが自ら出て行ったのだろう。
だが、エレナはああいう性格。
どうせ自分の何かに劣等感を感じて引いたに違いない。

