白銀の女神 紅の王Ⅱ





自分たちが一番美しいと思い。

少しでも気のあるそぶりをされれば、周りに自分の地位を誇示したがる。

そして、突き放されれば何故完璧な自分が…と腹を立てる。

招待しただけでよくここまで勘違いができることだ。

まぁ…こんな面倒なことをするのもこれが最後だろう。




「では、ごきげんようジュゼット姫。気を付けて帰られよ。」


そう言って、こちらを悔しそうな目で見上げていたジュゼットの前を過ぎれば「待って」と言う声。

どうでもいい女に待てと言われて待つ奴がいるか。

そう思いながらも歩みを止めずに後宮に向かっていると、フッと何かが吹っ切れたようなジュゼットの声が聞こえ…




「後宮に帰ってもあの子はいなくてよ。」



その言葉に足を止め、ゆっくりと振り返る。

そして、先ほどとは比べようもない苛立ちを感じながら口を開く。



「どういう意味だ?」


低い声でそう言い、睨めば、一瞬怯むジュゼット。

しかし、捨て身の攻撃と言わんばかりに自分を奮い立たせて笑みを見せた。