「こんな茶番はおしまいだと言っているんだ。」
「茶番?」
まだわかっていない様子のジュゼットにあからさまな溜息を吐く。
このお気楽な女は少しはこの状況をおかしいとは思わないのか。
「俺がこんな見え透いた政略結婚など受けるはずがないだろ。」
今まで縁談と言う縁談を片っ端から断り、退けてきたというのに、いきなり受け入れる方がおかしいと何故気づかない。
いや、そんなものはアークへの招待状を受け取った時点でなかったか。
どうせ自分だけの縁談話がうまくいったと思ったのだろう。
その証拠に、茶番と気づくやいなや顔を真っ赤にして憤慨するジュゼット。
「じゃ、じゃあ何のために私を招いたんですのッ?」
そんなの決まっている……
「エレナに自覚させるためだ。」
「何を…ですの?」
何を自覚させるかなど分かりきっていることだが…
「お前に教える義理はない。」
「なッ!」
冷たく言い放てば、腹が立ったのか驚いた後に眉をしかめた。
これが地位と権力に群がる女たちの本質だ。

