白銀の女神 紅の王Ⅱ





「こんな茶番はおしまいだと言っているんだ。」

「茶番?」


まだわかっていない様子のジュゼットにあからさまな溜息を吐く。

このお気楽な女は少しはこの状況をおかしいとは思わないのか。





「俺がこんな見え透いた政略結婚など受けるはずがないだろ。」


今まで縁談と言う縁談を片っ端から断り、退けてきたというのに、いきなり受け入れる方がおかしいと何故気づかない。

いや、そんなものはアークへの招待状を受け取った時点でなかったか。

どうせ自分だけの縁談話がうまくいったと思ったのだろう。

その証拠に、茶番と気づくやいなや顔を真っ赤にして憤慨するジュゼット。




「じゃ、じゃあ何のために私を招いたんですのッ?」




そんなの決まっている……




「エレナに自覚させるためだ。」

「何を…ですの?」


何を自覚させるかなど分かりきっていることだが…



「お前に教える義理はない。」

「なッ!」


冷たく言い放てば、腹が立ったのか驚いた後に眉をしかめた。

これが地位と権力に群がる女たちの本質だ。