白銀の女神 紅の王Ⅱ




「ずっとシルバ様のことが好きだったの。貴方が後宮に入る前から…」


瞳が潤み、今にも泣きだしてしまいそうなジュゼット姫。



「お願い…今夜だけ私にチャンスをくれないかしら?」

「あの……」


息をつく間もなく“お願い”をされる。

私はただ圧倒され、言葉にもならない返事をするのみだった。




「いいでしょう?」


半ば誘導尋問に似た問いに、遂にはコクンと頷いた。

すると、パァ…とジュゼット姫が笑い…




「では決まりですわね!後宮に入れるなんて夢のようですわ、ありがとございますエレナ様。」


一瞬、え?…と思うも、気づいた時にはバルコニーからジュゼット姫の姿は消えていた。



今夜だけ…ってそういうこと?

私はとんでもないことを約束してしまったようね…


はぁ…どうしよう……

今日は後宮に帰れそうにないわ…

どこで寝ようかしら。




そんなことを思いながら、深い溜息をつきバルコニーを出て行った。


まだ賑やかなパーティーを一人後にして――――