「ずっとシルバ様のことが好きだったの。貴方が後宮に入る前から…」
瞳が潤み、今にも泣きだしてしまいそうなジュゼット姫。
「お願い…今夜だけ私にチャンスをくれないかしら?」
「あの……」
息をつく間もなく“お願い”をされる。
私はただ圧倒され、言葉にもならない返事をするのみだった。
「いいでしょう?」
半ば誘導尋問に似た問いに、遂にはコクンと頷いた。
すると、パァ…とジュゼット姫が笑い…
「では決まりですわね!後宮に入れるなんて夢のようですわ、ありがとございますエレナ様。」
一瞬、え?…と思うも、気づいた時にはバルコニーからジュゼット姫の姿は消えていた。
今夜だけ…ってそういうこと?
私はとんでもないことを約束してしまったようね…
はぁ…どうしよう……
今日は後宮に帰れそうにないわ…
どこで寝ようかしら。
そんなことを思いながら、深い溜息をつきバルコニーを出て行った。
まだ賑やかなパーティーを一人後にして――――

