「貴方、覚悟はできていて?」
答えのない迷路に迷いかけようとした時。
挑発的なブラウンの瞳と目が合う。
「覚悟……?」
「えぇ、自分以外の女性とシルバ様を共有する覚悟が。」
「ッ……!」
ジュゼット姫の口から出た“共有”という言葉に息を飲む。
共有…それはすなわち、二人でシルバの妻になること。
私はそんな覚悟ができるの?
シルバがジュゼット姫に笑いかけるだけでこんなにも胸が締め付けられているというのに…
喉の奥が詰まったように言葉を紡ぎだせないでいると、ジュゼット姫がフフッと笑う。
「私は出来ているわ。まぁでもそうね…今日くらいは私にシルバ様を譲って下さらない?」
「え……?」
人形のように綺麗に象られた笑顔が怖い。
「今まで貴方がシルバ様を独占していたのだから、今日一日くらいいいでしょう?」
ねぇ…と私の手を取って「お願い」と言うジュゼット姫は眉を寄せて切ない表情を浮かべる。

