「私が教えることなんてないです…」
私よりもジュゼット姫の方が後宮について知っているんじゃ…
もともと嫁ぐために勉強や習い事をしてきたお姫様なのだから。
きっと私の反応を見てからかっているんだわ。
ジュゼット姫はわざとらしく目をパチパチと瞬かせ…
「あらそうですか?では私の国の後宮と同じように過ごしても良いのかしら。」
ドキッ――――――
言葉の言い回しに心臓が跳ねる。
「あ、あの……シルバは貴方を後宮へ迎えると……?」
ジュゼット姫の言い方だと、まるでもう後宮入りが決まっているかのような口ぶりだった。
何故黙っているの……
時間がとても長く感じる。
じっと見つめる瞳がフッと細められたかと思えば、ジュゼット姫はどこか余裕を見せた笑みを浮かべて口を開いた。
「いいえ、まだですわ。けど時間の問題じゃなくて?今回も各国の姫君から縁談の話が出ていたのに私だけを今日のパーティーに呼んで下さったのだから。」
否定の言葉に安堵するも、続いた言葉にヒヤリと冷たいものが背中を伝った。
ジュゼット姫の言う事にも一理あるのだ…
あのシルバがジュゼット姫一人をこのパーティーに招くなど考えられない。
シルバのは本当にジュゼット姫を妻に迎え入れるの?
そうなれば私はどうすれば……

