「好きにしろ。」 フイッ…と顔を逸らし、そう言う。 すると―――― 「っ…本当に!?」 エレナが目を丸くして驚く。 「二言はない。」 答えた瞬間―――― 「ありがとう、シルバっ!」 感極まったエレナが抱きついてきた。 首に手を回して飛びついて来た柔らかな身体。 俺が抱きしめた時には震える癖に。 しかし、抱きついて来たのは一瞬の事で… 「良かったわね、ニコ。」 身体を離し、子犬の方へ声をかければ、キャンッと鳴く子犬。 「ニコ……?」 「この子の名前です。」 エレナが嬉しそうに答える。