主たちが出て行った後宮――― 机の上には一枚の手紙が置かれていた。 後宮に吹き込んだ風がその手紙を揺らす。 その風は二つに折られていた手紙を開く。 淡いクリーム色の紙には一行だけこう書かれていた。 『愛している』 END