本当に無茶苦茶な女だ。
フッと思い出して笑っていれば、ウィルが「ところで…」と口を開く。
「エレナさんへの手紙には何と書いたのですか?」
そう言えば、手紙の行方はどうなったのだろうか。
あのアーク兵は帰還したものの手紙の事は何も言っていなかった。
エレナの話によると手紙を渡す時にギルティス兵にもみくちゃにされていたと言うから、落としてきたのかもしれない。
まぁ俺にとってはその方が都合がいい。
あれはエレナを引き留めておく為に書いたものだった。
エレナが無事である今はもう必要ないものだ。
結局あの手紙がなくともエレナはひとりで逃げてきただろうしな。
「シルバ?」
促すようなウィルの言葉に「言うわけないだろ」と答える。
それを見たデュークは口角を上げて嫌らしい笑みを浮かべる。
「怪しいな。教えろシルバ」
「お前たちに教えてたまるか」
そんな攻防を繰り返している時だった。
バンッ…―――――
執務室の扉が勢い良く開けられた。

