「どうぞ、これが向こうについてからの動きです。」
いつの間にか用意されていた計画書を取り出す。
抜かりがなく可愛げのない奴だ。
そう思いながらも受けとる。
そして、その計画書をめくろうとした時だった…
バシャッバシャッ…――――
何かが大きく水面を打つ音。
魚が跳ねた時の音でもない。
これは……
「ッ………!」
嫌な予感は当たっていた。
さっきまで足首につかるくらいにしか湖に入っていなかったエレナが、湖の中心に向かって水をかき分けながら進んでいる。
バサッと持っていた書類をウィルに投げつけ、湖に向かって駆け出す。
「シルバ!」と言うウィルの呼び止めにも応えずに走って行くと、段々と状況が明らかになっていく。
バシャバシャと何かを求めて湖の中を進むエレナ。
岸辺まで来ると、エレナが向かう方向にいたものが見えた。

