バタン――――
扉が閉まり、嵐が去ったような静けさを取り戻す後宮。
扉の向こうではシルバが護衛に何か声をかけている。
きっと後宮周辺の警備についての事だろう。
私がギルティスに攫われたからきっと護衛も衛兵も増えるのかな。
あれはどうしようもなかったけど、もう二度とあんな目にはあいたくないし、シルバの手を煩わせたくない。
だから護衛が増えて多少自分の自由がなくとも我慢する。
シルバの怪我…酷くないといいけど……
やっと護衛との話を終えたシルバは後宮を離れていく。
その音を耳で聞きながらゆっくり目を閉じる。
「寝ていろ」と言われたけど、シルバが帰ってくるまで待つはずだった。
しかし、シルバの怪我の事が気になりつつも意識は遠のくばかり。
心地良い太陽の光とふかふかのベッドとシルバの残り香に包まれていると不思議と心が休まる。
元々体が限界を訴えていたこともあって、次に目を開くときまで再び瞼を開くことはなかった。

