こうなってしまえば意外と頑固なエレナの事だ。
恐らく頑として動かないだろう。
それにエレナとしてはこれが初めての経験。
最初からハードルが高すぎたか。
そう思って一旦エレナの上から離れ、部屋の扉まで行き部屋の灯りを消した。
真っ暗になるかと思いきや案外月の光が強く、柔らかな青白い光が部屋を照らす。
もちろんベッドに横たわるエレナの姿もはっきりわかり、俺にとっては嬉しい誤算となった。
「灯りは消したが?」
意地悪な笑みを浮かべてそう言えば、エレナは諦めた様に胸の前から手を離し、両手を肩の横に置く。
思いっ切り顔を逸らされ、まるで俺が襲うかのようだ。
強張ったエレナの肩に触れれば、ビクッとエレナの体が跳ねる。
右肩の上部から腕の付け根、鎖骨、胸元の順に口づけを落として行けば、エレナから甘い声が漏れる。
声を抑えようと必死に手を口に当てているが、時折高く啼く声は耳に心地良かった。
口での愛撫を続けていると次第にエレナの体から力が抜けて行った。
そして、熱にのぼせベッドに深く沈んだ頃を見計らってエレナの服を脱がせていく。
エレナの抵抗はもうない。
一糸纏わぬ姿となったエレナの体は息を飲むほど美しく、月明かりに照らされた白い肌は幻想的だった。
「シルバ…」
静寂仕切った部屋に少し震えた声が響く。
エレナの呼びかけに答える様に「何だ」と言えば、月明かりの下でも分かるくらい顔を赤くして口を開いた。
「あの…初めてなので優しくしてください」
この言葉で俺のなけなしの理性が焼切れたことも知らずにエレナは俺を見上げる。
心の中で優しくしてやれるかどうか自身に問いながらも目の前の愛おしい女を抱くことに集中した。

