白銀の女神 紅の王Ⅱ




エレナを守るためなら側室を作れとウィルに言われたことがあった。

エレナ自身からも世継ぎの為に側室を迎えてもいいと言われたこともあったな。



だが気持ちはそよとも揺らがなかった。

例えウィルから助言されようとも、エレナ自身から許されようとも。

他の女に目もくれない程にエレナを愛していた。



エレナ自身が嫌う白銀の髪も。

今は不安に揺れる銀色の瞳も。

他の男に所有印を付けられたところで今更嫌うわけもない。




「これを消してほしいか?」


指でエレナの胸元のそれを撫でれば、ピクッと反応するエレナ。

どうやって消すかなど分かっていないエレナはただ不安げな瞳をしたまま頷く。

その答えに柔らかな笑みを零し、胸元に顔を落とす。

そして、白い肌に赤く残った痕に唇を寄せた。





「ん……」


小さく零れたエレナの甘い声。

その声を聞きなけなしの理性を何とか抑え込み、ギルティス王のつけた痕を上から塗り替える様にして自分の所有印を刻んだ。




唇を離した時にはギルティス王の残した所有印は塗りつぶされ、俺の残した所有印だけがそこに有った。

エレナはそれを見て頬を赤らめる。