白銀の女神 紅の王Ⅱ




「あの…これが消えるまででいいの。部屋も別々にして…」


続く言葉を唇を塞ぐことで掻き消した。

突然の口づけに戸惑うエレナをよそに止めてやるどころか更に口づけを深める。

最近やっと覚えた深い口づけもたどたどしいながらも応えるようになり、それが例え上手くなくとも欲は煽られるばかり。

くぐもった苦しそうな声を聞いてやっと唇を離す。





「ふ…ぁ……」


唇を離した途端、酸素を求める様に口を開き肩で呼吸をするその様がやけに艶やかだった。

蕩ける様な瞳で見上げられ、内に湧き上がった欲は膨れ上がる。

紅潮した頬を撫でながらもう一方の手で肩にかかった紐に手をかければ小さな抵抗を示された。





「ゃ……シル…バ…」


力が入らないのか、俺の胸を押す力は弱い。

自らの服を剥ぎ取られまいと自身の胸の前に手をあて身を固くするエレナ。

胸の前に置かれた手の薬指に光る指輪。

ダイヤとルビーがはめ込まれたその指輪は婚約した時のものだ。




薬指にあるその指輪にそっと口づける。



一体何が起こったのか分からなかったのか、エレナは無意識に身の強張りを解いた。