白銀の女神 紅の王Ⅱ




その声に理性を失ったのは俺の方だった。

逃げ腰になるエレナを引き寄せ、柔らかな髪を指に絡ませる。

お互いの息遣いが聞こえるほどに深く貪り、唇が離れるころにはエレナの体は完全に力が抜けていた。

肩で息をするエレナをそっとベッドに押し倒す。





「シルバ…」


熱に浮かされて僅かに欲を孕ませた銀色の瞳がこちらを見上げる。



ドクン…と大きく鼓動を刻む心臓。


何でコイツはこう……



視線だけで俺の心を乱す存在に内心諦めのため息を吐く。

そして銀色の瞳に吸い込まれる様に引き寄せられ、額に口づけた。

エレナが抵抗しないことをいいことに、額から目元、耳、頬とゆっくりと下に降りていく。




「だめ…っ…も…」

「聞かない」


細い首にさしかかった時、エレナが我に返ったのか俺の頭を離そうとする。

しかし、伸びてきた細い腕を取り、ベッドに縫い付けた。





「お前は穢れてなどいない。……お前はどんな女よりも綺麗だエレナ」


瞬間、目を細めて涙を流すエレナ。






「穢れていると言うなら、俺が何度だって塗り替えてやる。忘れるほどに抱きしめてやる」


声を抑えながら嗚咽に耐えるエレナの肩は震えていた。

ベッドに抑えていた手を放せば、もう抵抗はない。




「だからもう一度俺を選べ。俺はお前以外の女と誓いを立てるつもりはない」

「ッ…シルバ…っ…!」


フッと微笑んでそう言えば、エレナが俺の首に腕を回して抱き着いてくる。