その声に理性を失ったのは俺の方だった。
逃げ腰になるエレナを引き寄せ、柔らかな髪を指に絡ませる。
お互いの息遣いが聞こえるほどに深く貪り、唇が離れるころにはエレナの体は完全に力が抜けていた。
肩で息をするエレナをそっとベッドに押し倒す。
「シルバ…」
熱に浮かされて僅かに欲を孕ませた銀色の瞳がこちらを見上げる。
ドクン…と大きく鼓動を刻む心臓。
何でコイツはこう……
視線だけで俺の心を乱す存在に内心諦めのため息を吐く。
そして銀色の瞳に吸い込まれる様に引き寄せられ、額に口づけた。
エレナが抵抗しないことをいいことに、額から目元、耳、頬とゆっくりと下に降りていく。
「だめ…っ…も…」
「聞かない」
細い首にさしかかった時、エレナが我に返ったのか俺の頭を離そうとする。
しかし、伸びてきた細い腕を取り、ベッドに縫い付けた。
「お前は穢れてなどいない。……お前はどんな女よりも綺麗だエレナ」
瞬間、目を細めて涙を流すエレナ。
「穢れていると言うなら、俺が何度だって塗り替えてやる。忘れるほどに抱きしめてやる」
声を抑えながら嗚咽に耐えるエレナの肩は震えていた。
ベッドに抑えていた手を放せば、もう抵抗はない。
「だからもう一度俺を選べ。俺はお前以外の女と誓いを立てるつもりはない」
「ッ…シルバ…っ…!」
フッと微笑んでそう言えば、エレナが俺の首に腕を回して抱き着いてくる。

