「いつからだ?」
「婚儀の2日目から…ドレス選びをしている時に無意識にニーナの思考を読んでいたの」
真っ直ぐとこちらを見る瞳から逃げる様に顔を逸らし、罰の悪そうな顔をして答える。
ずっと顔を逸らしてシルバの反応を待てば、耳に届く深い溜息。
ズキッ…と胸にさすような痛みが走る。
シルバはきっと呆れているのだ。
しかし――――
返ってきた言葉は意外なものだった。
「やはり能力が戻っていたか」
弾かれたように顔を上げてシルバを見れば少し不機嫌そうな顔で口を開く。
「気づいていなかったとでも?」
「なんで……」
呆気にとられた表情でそう呟けば、シルバは溜息をつく。
「確信はなかったが、お前が思いつめた表情をすることと言えば能力の事だろう。最近空耳が多いと言っていたとニーナから聞いていたしな」
そう言いながら途中だった傷の手当てを続けるシルバ。
「一番の決め手はギルティスへ連れ去られたことだ。お前の能力は消えたとあれだけ言いふらして回ったのにもかかわらず、お前ただ一人を攫ったと言うことは何かあると思った」
左手の傷の手当を終えると立ち上がり、持ってきた医療箱を机の上に置いた。

