「抱きしめて…一部の隙もないくらいに強く」
シルバは大きく息を飲み、目を見開く。
そしてまだボロボロと涙を零す私を再び抱き寄せた。
私の願いどおり、息もつかせない程に強く。
これから伝えなければならない事を思えば不安で不安でしょうがない。
「シルバ…このまま聞いて」
抱きしめて体を密着させたまま口を開く。
「私ね……」
ドクン…―――
ドクン…―――
心臓が大きな音を立てて鳴る。
ゴクリと喉を鳴らし、意を決して口を開いた。
「私…能力が戻ったの」
言ってしまった後、心臓が早鐘を打ち始める。
シルバが応えてくれるまでの時間が酷く長く感じる。
時間にして数秒後、シルバは痛いくらい抱きしめていた腕を緩める。
背中に回されていた腕が離れて行ったが、私はシルバの背に抱き着いたまま離れなかった。
「エレナ」
ポンと頭の上に手を置かれ、離れるよう促す声が降る。
けれど、私は嫌々と子供が駄々をこねる様にピタリとくっついたまま離れない。
「怒ってる…?」
シルバの胸に顔を埋めたまま恐る恐る問いかける。
するとシルバは不意に私を抱えたまま立ち上がり、いきなり抱え上げられ驚いた私はつい手を離してしまった。
そして、そっとベッドの上に下ろされる。

