ギルティス兵は私の能力が戻ったことを知っているから。
ザイードにとって利用価値のある私は殺すなと命じられているのだ。
その時冷静に考えればそんな考えに至っただろう。
けれど、考える猶予などなく。
気づいた時には先に体が動いていた。
走って悲鳴を上げていた体の重さなど忘れて。
自分が殺されないと言う自負があったわけじゃない。
ただ愛する人を守りたいと言う一心でギルティス兵が構える剣の前に出た。
「エレナッ!」
悲鳴にも似たシルバの大きな声。
突然私が間に入ってきたことに驚いたギルティス兵だったが、なぎ払うようにして繰り出した剣の勢いは止められない。
そして私は目を閉じた――――

