ギルティス兵がアークに出立した後だからかつり橋は降ろされている。
外の明るさに馬が興奮して足踏みしたものの、シルバが落ち着かせればそれも治まった。
そしてシルバが先頭になって走っていく。
あともう少しでアークに帰れる。
一直線上にあるつり橋を目指して私たちは走った。
しかしアーケードを走り抜けた瞬間―――
何か大きな影がブンッと風音をさせて振り上げられるのが視界の端に映った。
視界の端に映ったのが何かに気づいた時にはもう遅くて、男が手に持った剣を振り下ろしてきた。
瞬時に反応したのはシルバだった。
左腰に下げていた剣を素早く抜き、振り下ろされる剣の前に出す。
ガンッ…と剣のぶつかる重い音。
その音に驚いた馬は甲高い鳴き声を上げ、大きくのけ反ったかと思えばそのまま走り去って行った。
上から勢いよく振り下ろされた剣の重さは相当なもので、下から受け止めたシルバはクッと声を上げる。
上から押さえつけた男がニィっと笑みを深めたかと思うと視線を私たちの後ろへやる。
「やれッ!」
ギルティス兵は一人ではなかった。
その視線を追うようにして後ろを振り返れば、もう一人のギルティス兵が剣をめいいっぱい横に引いていた。
その剣が描く放物線上にはシルバがいる。
先ほどの男もそうだが、男たちは間違いなく私ではなくシルバを狙っている。

