恐らく数メートル先だろう、向こうからギルティス兵と思われる男たちの話声が聞こえた。
だんだんとこちらに近づく足音に緊張が高まる。
後ろは長い廊下、近くの部屋の部屋には鍵がかかっていた。
廊下は一本道で逃げる場所はない。
そしてそのギルティス兵たちが角を曲がった瞬間。
ガッ…――――
「グハッ……」
素早く動いたシルバの拳が手前の男のみぞおちにヒットする。
「貴様ッ…ガハッ……」
もう一人のギルティス兵もあっという間に制したシルバは意識を失って倒れてきた男二人を受け止め、ゆっくりと地面に下ろす。
さすがのシルバも気絶した男二人を部屋まで運ぶことは出来ない。
「エレナ、もう少し走れるか?」
「はい」
意気の上がる声でそう答える。
廊下に倒れた男たちが発見されれば城内に異常があったことが明らかになりたちまち追手がやってくるだろう。
今は苦しいと言っている時ではなかった。
走って走って息も足も限界に近づいた時、やっとたどり着いたのは馬小屋。

