白銀の女神 紅の王Ⅱ




「デュークの言った事を鵜呑みにしたと言うことは、あれを受け取っていないのか?」

「あれって…?」


涙を拭い終わった後、シルバから問われた言葉に疑問符を浮かべる。




「ギルティス兵に成りすまして紛れ込ませたアークの兵がお前に接触しようとしただろう」


ギルティス兵に成りすまして紛れ込んでいた…

頭の中でシルバの言葉を思い浮かべハッとする。

浮かんだのは、王の間で私に妙な視線をぶつけてきたギルティス兵だった。





「もしかして、デュークさんを連れてきたギルティス兵のこと?」

「そうだ」


即答するシルバ。

やっぱりあの人は私に何かを伝えようとしていたんだ。





「あの人は私に何か伝えたかったようだけど、貴方がこの城にやってきたと知ったギルティス兵が歓喜して、その波にのまれてはぐれてしまったの」

「そうだったのか。だからこんな無茶な真似をして牢屋を出たんだな」



シルバはローブの下に隠れたボロボロのドレスを見て眉を寄せる。

ザイードや男たちから引っ張られ破かれたドレスを見られたくなくてローブを体に巻きつけた。




「あの人に渡したものってなに?デュークさんが言った事は本当に嘘だったの?」


胸のもやもやを一気に吐き出すように捲し立てる。

するとシルバは何故かばつの悪そうな顔をして口を開いた。