「デュークの言った事を鵜呑みにしたと言うことは、あれを受け取っていないのか?」
「あれって…?」
涙を拭い終わった後、シルバから問われた言葉に疑問符を浮かべる。
「ギルティス兵に成りすまして紛れ込ませたアークの兵がお前に接触しようとしただろう」
ギルティス兵に成りすまして紛れ込んでいた…
頭の中でシルバの言葉を思い浮かべハッとする。
浮かんだのは、王の間で私に妙な視線をぶつけてきたギルティス兵だった。
「もしかして、デュークさんを連れてきたギルティス兵のこと?」
「そうだ」
即答するシルバ。
やっぱりあの人は私に何かを伝えようとしていたんだ。
「あの人は私に何か伝えたかったようだけど、貴方がこの城にやってきたと知ったギルティス兵が歓喜して、その波にのまれてはぐれてしまったの」
「そうだったのか。だからこんな無茶な真似をして牢屋を出たんだな」
シルバはローブの下に隠れたボロボロのドレスを見て眉を寄せる。
ザイードや男たちから引っ張られ破かれたドレスを見られたくなくてローブを体に巻きつけた。
「あの人に渡したものってなに?デュークさんが言った事は本当に嘘だったの?」
胸のもやもやを一気に吐き出すように捲し立てる。
するとシルバは何故かばつの悪そうな顔をして口を開いた。

