白銀の女神 紅の王Ⅱ




「私を…迎えに来てくれたの?」


涙声で震えながら聞く。

するとシルバは私の体に回した腕を更に強くして応える。




「当たり前だ。それ以外に何がある」


迷いなく答えたシルバだったが、私はまだ信じきれない。


だって……




「もう私は必要ないんじゃないの?」


ゆっくりとシルバから離れ、ポツリと口にした問いかけに自分の心の方が傷つく。

思い出すほどに涙が溢れ、身を切る様な切ない気持ちに駆られる。





「だからデュークさんが来たんでしょう?私の代わりなんていくらでもいるんでしょう?」


シルバに会えた安堵からか、今まで溜まっていた不安が一気に押し寄せた。

そして、口から零れたのは感情のままにシルバを責める様な言葉。





「わ、私に飽きたなら…っふ…そう…言って…」


嗚咽にかわりそうなほど喉を詰まらせ、ぼろぼろと涙を流しながら伝える。

言いながら頭の端で後悔していると言うのに止まらなかった。

すると、私の言葉をじっと聞いていたシルバが黙って私の手を取った。

震える手を強く握りしめ、紅の瞳が貫く様に真っ直ぐ私を見つめる。





「飽きたならこうして迎えに来るはずがないだろ」


呆れたような、けれどどこか優しい声でそう言って、もう一方の手で頬に流れる涙を拭ったシルバ。

デュークを使いに出してまで突き放したくせに、こうして優しく接するシルバの行動が分からずに戸惑う。

しかし、シルバは戸惑う私を気にした風でもなく丁寧に涙を拭っていった。