ガッ……―――――
廊下に連なっていた部屋の一つから腕が伸びてきて。
私は声を上げる間もなく、一瞬にしてその部屋に連れ込まれた。
そして、音もなく扉は静かに閉まる。
「んんッ……」
カーテンが閉め切られた真っ暗な部屋の中、私のくぐもった声が響く。
私の体を後ろから拘束しているのは紛れもなく男で、がっしりとした腕が私の体に巻き付いていた。
やだ…やだ……もう同じ目にはあいたくない。
男たちに襲われた時のことを思い、必死の抵抗を試みる。
じたばたと暴れ、口に当てられた手が離されたと同時に口を開く。
「やッ…離して……」
「静かにしろ」
パニックになっていた私は小さく囁いた男の声も届かずにもがき続ける。
「も…やだ……ッ…」
逃げきれないと分かった絶望感と恐怖で涙が溢れてくる。
その声が嗚咽にかわろうとした時、男がチッと悪態をつき私を抱きしめた。
「っ……やだやだッ…やめて…」
「落ち着け、俺だ」
襲われると思った私が更なるパニックになりかけていた時、耳に届いた声。
囁くような声ではなく、しっかりと届いた声。
その声を耳にした瞬間、私の抵抗はピタリと止んだ。

