心臓は早鐘を打ち、今にも飛び出してしまいそうなほど鳴っている。
大丈夫…慎重に動けば見つからないわ。
柱を隔てた向こう側を歩く男たちに意識を集中させた。
足音を聞きながら柱を挟んで男たちの歩調に合わせ、対角線上になる様に移動する。
幸運なことに男たちは会話に夢中で私の存在には気が付かず、地下牢の方向へ歩いて行く。
一瞬、地下牢へ行くのではないかと思って焦ったが、男たちは1つ手前の廊下を右に曲がって行った。
「っ……ハァ…ハァ…」
男たちの姿が見えなくなったのを見計らって、溜めていた息を吐き出す。
危ないところだった。
男たちに見つかってしまった時のことを思うとぞっとする。
見つかればまた地下牢に閉じ込められ、襲われる。
そんなの嫌だ……
グッと地図を握り締めて、自分を奮い立たせる。
そして、まだ息の整わない呼吸のまま駆け出し、4つ目の廊下を左に曲がった。
曲がった先の廊下はそれほど広くなく、各部屋に繋がる扉が並んでいた。
先ほどの中央廊下よりも狭く、隠れる場所がないため、とても心細い。
次に曲がる角まで一気に走り抜けたくて走るスピードを速める。
しかし、次の瞬間―――――

