「何故そんなにも私の事を気にかけるのですか?アークにいた頃も数回しか会った事はなかったのに」
私が初めてロメオに会ったのはシルバのもとに来てすぐの頃。
内乱を企てている者を私の能力で見破る為に開かれた宴の席だった。
フォレスト伯爵に連れられて、会ったのが1回目。
そして、その次はフォレスト伯爵の部下に連れ去られた時。
数えてみれば、数回どころか2回しか顔を合わせていない。
なのに何故ロメオは私に執着するのか分からなかった。
しかし、私が口にした疑問にロメオは意外な真実を口にした。
「私は貴方がウォルターに買われた時から貴方の事を知っていました」
ロメオは衝撃的な事実を口にしながら床に伸びている男たちに近づく。
そして、慣れない手つきで男たちの手を持ってきたロープで縛りながら話す。
「父に連れられあの酒場にはじめて行った時に会っていたんです。そこで貴方の事を一目見て惹かれていました。あの薄暗くて汚らしい場所にいるのも奇跡なほど美しくて、神々しくて、私にとっては女神の様な存在だったんです」
初めて聞くロメオの心情に黙って耳を傾ける。
「だからこそ貴方がアークの王の妾になったことを聞いて、気が狂う想いでした」
ロメオの私に対する狂おしいまでの狂気はそういうことだったのね。
キュッと2人目の男の手を縛り、ロメオがふぅと一息つく。
そして、私の方へ向き直った。
その表情は少し前までの暗いロメオではなく、どこか吹っ切れたような顔つきだった。

