だったらいっそ今…――――
そんな事してはいけないと思うのに、黒い考えが頭を支配する。
アークに帰りたい……
シルバに会いたい……
ただただ涙は流れ、無力な自分を嘆いた。
「やっと大人しくなったか」
諦めた様に強張っていた体から力を抜けば、口の中に血の味が広がる。
唇を噛みしめるようにして耐えていたからだろう、口内が切れていた。
もう私にも逃げる気力はなかった。
「面白くないが、まぁやってるうちにまた騒ぐだろ。良い声で啼けよ」
「お前本当に鬼畜だな」
ハハッと笑う男たちの下で悔し涙が頬を伝う。
男たちが服に手をかける中、ゆっくりと目を閉じる。
すると脳裏に焼き付いたシルバが現れる。
艶やかな漆黒の髪、燃える様な紅の瞳。
いつも厳しい顔をしているけど、めったに見れない笑みは私の心を弾ませて。
私の白銀の髪を撫でてくれる大きな手はとても優しい。
シルバ…――――
貴方の事を心の底から愛しています。
驚くほど落ち着いたのを感じながら、うっすらと口を開く。

