「本当にいいのか?」
ゴクリと生唾を飲み込んで枯れた声で問う男。
「えぇ、ザイード様の許可も得ているわ。兵士の慰み者にさせろってね」
ザイードは一言もそんなことを言っていなかった。
女の嫉妬はここまで人を変えるのだろうか。
カチャッ…と鍵が開ける音にビクッと体が跳ね、鉄格子から離れる様に部屋の奥へと下がる。
が、部屋と言っても牢屋だ。
すぐに壁にぶつかり、逃げ場はなくなる。
「ザイード様の命ならしょうがないな」
「遠慮なく楽しませてもらう」
男たちは開けられた扉をくぐり、狭い牢屋に入ってくる。
ドクンッ…――――
ドクンッ…――――
大きな心音が耳元で鳴り、呼吸がままならない。
「じゃぁ、後は適当にやって。私はザイード様のもとへ行くわ」
私が逃げられないと分かっているのか、鍵を牢屋の外の机に置いて出て行こうとするベロニカ。
「ザイード様の世界にあんたは要らない。あんたの能力がなくてもアークを滅ぼしてみせる」
ベロニカがみせたのはザイードに対する激しい想いだった。

