白銀の女神 紅の王Ⅱ




「本当にいいのか?」


ゴクリと生唾を飲み込んで枯れた声で問う男。



「えぇ、ザイード様の許可も得ているわ。兵士の慰み者にさせろってね」


ザイードは一言もそんなことを言っていなかった。

女の嫉妬はここまで人を変えるのだろうか。

カチャッ…と鍵が開ける音にビクッと体が跳ね、鉄格子から離れる様に部屋の奥へと下がる。

が、部屋と言っても牢屋だ。

すぐに壁にぶつかり、逃げ場はなくなる。





「ザイード様の命ならしょうがないな」

「遠慮なく楽しませてもらう」


男たちは開けられた扉をくぐり、狭い牢屋に入ってくる。





ドクンッ…――――

ドクンッ…――――



大きな心音が耳元で鳴り、呼吸がままならない。





「じゃぁ、後は適当にやって。私はザイード様のもとへ行くわ」


私が逃げられないと分かっているのか、鍵を牢屋の外の机に置いて出て行こうとするベロニカ。




「ザイード様の世界にあんたは要らない。あんたの能力がなくてもアークを滅ぼしてみせる」


ベロニカがみせたのはザイードに対する激しい想いだった。