白銀の女神 紅の王Ⅱ




「ここで大人しく待っていなさい」


ガチャンッと鍵をかけ、上機嫌で地下牢を出ていくベロニカ。

誰もいない地下牢で一人残される。

暗くて独りぼっちなのは慣れているし、牢屋の中ほど安心できる場所はないと思っていた。

けれど今は“逃げなければ”と警鐘が鳴り響いている。



ベロニカが戻ってくる前に……

そう思って牢屋を見渡すも、窓は一切なく、唯一出られる場所は鉄格子の扉だけ。

鍵は鉄格子の向こう側の机の上。





お願い届いて……



鉄格子の間から鍵に手を伸ばしていれば、地下牢へ降りてくる足音が聞こえた。

ベロニカがもう戻ってきたのだ。

しかし、足音は一つではない。





「大人しくしてって言ったのに」


机の上の鍵を取ろうと手を伸ばす私の前で、ヒョイっと鍵を拾い上げるベロニカ。

そして、ベロニカの後ろには屈強そうな男が2人。



「へぇこれがアークのお姫様?」

「なかなかの上玉じゃねぇか」


舐める様な視線に、外に伸ばしていた手を引っ込めて鉄格子から離れる。




「そうでしょう?」


心にもない言葉を口にして笑うベロニカ。




「貴方たちの好きにしていいわ」



ッ……!

妖艶な笑みで告げられた言葉に息を飲む。