「ここで大人しく待っていなさい」
ガチャンッと鍵をかけ、上機嫌で地下牢を出ていくベロニカ。
誰もいない地下牢で一人残される。
暗くて独りぼっちなのは慣れているし、牢屋の中ほど安心できる場所はないと思っていた。
けれど今は“逃げなければ”と警鐘が鳴り響いている。
ベロニカが戻ってくる前に……
そう思って牢屋を見渡すも、窓は一切なく、唯一出られる場所は鉄格子の扉だけ。
鍵は鉄格子の向こう側の机の上。
お願い届いて……
鉄格子の間から鍵に手を伸ばしていれば、地下牢へ降りてくる足音が聞こえた。
ベロニカがもう戻ってきたのだ。
しかし、足音は一つではない。
「大人しくしてって言ったのに」
机の上の鍵を取ろうと手を伸ばす私の前で、ヒョイっと鍵を拾い上げるベロニカ。
そして、ベロニカの後ろには屈強そうな男が2人。
「へぇこれがアークのお姫様?」
「なかなかの上玉じゃねぇか」
舐める様な視線に、外に伸ばしていた手を引っ込めて鉄格子から離れる。
「そうでしょう?」
心にもない言葉を口にして笑うベロニカ。
「貴方たちの好きにしていいわ」
ッ……!
妖艶な笑みで告げられた言葉に息を飲む。

