ギィ…――――
鈍く重い金属の音が地下牢に響く。
ベロニカに促され、入れられたのは鉄格子の部屋。
テーブルや椅子、ベッドまであり一見普通の部屋のように見えるが、ここは紛れもなく牢屋だった。
ベロニカに両の手を拘束されたまま牢屋の中に突き飛ばされた。
「ッ……」
突然の事で受け身が取れず、地面に体を打ち付けた。
すると後ろでクスクス笑う声が聞こえた。
「本当にドジね。受け身くらいとりなさいよ」
私を突き飛ばし、笑ったのは言うまでもなくベロニカ。
「あぁ…温室育ちのお姫様には受け身なんて取れないわよね」
フンッと鼻で笑う声は私の侍女だった時のベロニカと同一人物だとは思えない。
私がアークの人間だから嫌われているのは分かる。
けれど、それだけではなく言葉が刺々しく、視線が冷たい。
縛られた両手で地面をつき、起き上がってベロニカの方を振り返る。
すると、ベロニカは視線を下の方へやり、一瞬目を見開いた後、明らかに憎しみのこもった視線で私を睨む。
視線を落としベロニカが見ていたものが分かり、血の気が失せるのが分かった。
肌蹴た服から見えたのは“痕”
白い肌にうっすらと紅く残っているのは紛れもなくザイードがつけた所有印だった。
「なんであんたなのよ……」
私が愕然としていると、ベロニカが声を抑える様な低い声で口を開く。
ギリッと強く唇を結び、私を睨みつけるベロニカ。

